KB5065789は、Windows 11に導入されたプレビュー更新のひとつですが、これを安易にインストールするのは非常に危険です。
ゲームのフレームレート低下や、ビジネス向けアプリの通信不具合、そして最悪の場合「システムが起動しなくなる」といった重大なトラブルが報告されています。
この記事では、KB5065789の更新内容をわかりやすく解説しながら、エラーコードの意味や、インストールできない場合の対処法、安全なアップデート手順までを詳しく紹介します。
更新するべきか迷っている方や、すでに不具合が出てしまった方にとっても、実用的な情報が満載です。
Windows 11を安定して使い続けるために、今知っておきたいポイントをまとめました。
KB5065789とは?最新Windows11プレビュー更新の内容と特徴

KB5065789は、Windows 11ユーザー向けに公開されたテスト的なアップデートです。
ここでは、どんな新機能が含まれているのかをわかりやすく整理してお伝えします。
KB5065789のリリース日・対象バージョン
この更新プログラム「KB5065789」は、2025年9月29日に配信されたWindows 11のプレビュー更新です。
対象はバージョン24H2および25H2のユーザーとなっており、主に機能追加とUIの改善を目的としたものです。
セキュリティ修正ではなく、新機能を先行体験できることが特徴ですが、安定性は保証されていません。
特に業務用PCでの導入は注意が必要です。
更新概要表:
項目 | 内容 |
---|---|
配信日 | 2025年9月29日 |
対象OS | Windows 11 バージョン24H2 / 25H2 |
更新タイプ | プレビュー(オプション)更新 |
主な目的 | AI機能追加、UI改善、新機能テスト |
プレビュー更新(オプションパッチ)の意味とは?
プレビュー更新とは、翌月の定例アップデートに先駆けて公開されるテスト版のようなアップデートです。
Windows Updateの「オプションの更新」欄に表示され、ユーザーが任意で適用する形式となっています。
このような更新には、最新機能を試したい方向けのメリットがありますが、システムの不安定化やドライバーとの不整合といったリスクも伴います。
安定性を重視するユーザーにとっては、無理に適用する必要はありません。
適用の判断基準:
- テスト環境 → 適用しても問題なし
- 業務PC・メインマシン → 適用は避ける
- ゲーミングPC → GPU不具合報告あり、注意
強化されたAIアクション機能とUI変更点の詳細
今回のKB5065789では、Windows 11のAI統合機能が大幅に強化されました。
とくに注目すべきは「AIアクション」の追加です。
ファイルエクスプローラー内で右クリックするだけで、画像編集やドキュメントの要約といったAI処理が可能になりました。
また、「Click to Do」機能も強化され、AI関連の操作がより見つけやすくなっています。
UI面では、通知センターのマルチモニター対応や、音量インジケーターの表示位置変更なども盛り込まれ、使い勝手が向上しています。
主な変更点:
- AIアクション: ファイル右クリックでAI操作可能に
- Click to Do: 操作ナビゲーション改善
- UI改善: 複数モニター対応、インジケーター表示の柔軟化
KB5065789の不具合一覧|FPS低下・アプリ不具合・ネット障害
KB5065789の最大の問題点は、各所で不具合が多数報告されていることです。
ここではその内容を具体的に紹介していきます。
ゲームのFPS低下や描画不良が起きる理由
多くのユーザーが指摘しているのが、ゲームプレイ時のパフォーマンス低下です。
特に『アサシンクリード シャドウズ』や『Call of Duty BO6』などのGPU負荷が高いゲームで、FPSが30%以上も低下したという報告が目立ちます。
これはDirectX周りの処理がKB5065789によって不安定になっていることが主な原因とされています。
アンインストールで改善するケースもあるため、原因を見極めたうえでの対応が求められます。
影響が出たタイトル:
ゲーム名 | 不具合内容 |
---|---|
アサシンクリード シャドウズ | FPSが約30%低下 |
Call of Duty BO6 | 描画がカクつく、遅延発生 |
Valheim | GPU使用率が不安定になる |
SmartPBX・Wi-Fi不調などのビジネス影響
業務用途で使用されるアプリやネットワーク環境にも、深刻なトラブルが報告されています。
たとえばNTTドコモビジネスの「SmartPBXソフトフォン」では、発着信ができなくなるという事例があります。
これは業務に直接支障をきたす恐れがあり、特に注意が必要です。
また、Intel i226-vやMediatek Wi-Fi 7のネットワークドライバーとの相性問題によって、接続が不安定になったり、PCが再起動ループに陥るケースも見られます。
不具合の概要:
- SmartPBX:発着信不能
- Intel i226-v:ネットワーク切断・再起動
- Mediatek Wi-Fi 7:無線接続が不安定
重要: 業務PCへの適用は推奨されません
システムの復元で起動不能になる致命的なバグ
最も深刻な不具合が、「システムの復元」を実行するとOSが起動しなくなる問題です。
復元後、サインイン画面が表示されず、ブラックスクリーンのまま停止するケースが確認されています。
このバグは、Microsoftも認識しており、KIR(Known Issue Rollback)による一部対応が行われていますが、完全には解消されていないのが現状です。
KB5065789が適用された環境では、システム復元は使用しないことが最善策です。
ポイントまとめ:
- 復元を実行すると画面が真っ暗に
- 再起動しても回復しない事例あり
- KIRで一部改善されるも、根本解決は未完
KB5065789がインストールできない・終わらない原因と対処法

KB5065789のアップデートが進まない、エラーで止まってしまう…そんな時は慌てずに原因を見極めることが大切です。
ここでは具体的なトラブルと対策を詳しく解説します。
エラーコード「0x800f0823」「0x800f0922」などの意味と対処
インストール時に表示されるエラーコードには、それぞれ明確な原因が存在しています。
よく報告されているのが「0x800f0823」や「0x800f0922」といったコードです。
前者は一時ファイルの破損やストレージ容量不足が要因、後者はVPNやセキュリティソフトが通信を妨害している場合が多く見られます。
強制再起動や何度も更新を繰り返すのではなく、原因に応じた対応を行うことが、安全で確実な復旧につながります。
エラーコード別の主な原因と対処法:
エラーコード | 原因 | 対処法の例 |
---|---|---|
0x800f0823 | 一時ファイル破損、容量不足 | ディスククリーンアップ、不要データ削除 |
0x800f0922 | VPN・セキュリティ干渉 | ウイルス対策ソフトを一時停止、VPN切断 |
0x8024a105 | WUサービス停止 | 再起動後にWindows Updateサービスを手動再開 |
補足: 同じエラーコードでも原因は1つとは限りません。
ログを確認することも有効です。
セキュリティソフト・ディスク容量・ネット環境の確認方法
KB5065789がうまく適用されないときは、インストール環境そのものに問題がある可能性があります。
とくにリアルタイム保護機能のあるセキュリティソフトは、Windows Updateの動作を妨げることがあります。
また、Cドライブの容量が不足していると、更新ファイルが展開されずエラーになる場合もあります。
さらに、Wi-Fiの通信が不安定だと、ダウンロード時にファイルが壊れてしまうリスクも無視できません。
チェックすべき3つのポイント:
- セキュリティソフト: 一時的にリアルタイム保護を無効にする
- ディスク容量: 20GB以上の空き容量を確保(「ディスクのクリーンアップ」推奨)
- ネット環境: Wi-Fiではなく、有線LANを使用
注意: セキュリティを一時的に無効化したあとは、必ず再度有効に戻すことを忘れずに。
安全に修復インストールするための具体的手順
どうしてもKB5065789が適用できない場合は、修復インストール(インプレースアップグレード)を試すのがもっとも安全で確実な方法です。
これは、システムをクリーンインストールせずに、ファイルやアプリを保持したままOSだけを再構築できる方法です。
Microsoft公式の「Media Creation Tool」を使えば簡単に実行でき、更新の失敗や破損したファイルの修復に効果があります。
修復インストールの手順:
- Microsoftの公式サイトからMedia Creation Toolをダウンロード
- 「今すぐこのPCをアップグレードする」を選択
- 「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」を必ず選択
- 画面の指示に従いインストールを開始
ポイント:
- 作業前にバックアップを取っておくと安心
- セキュリティソフトは一時停止しておく
- 電源接続は必須(バッテリー駆動は非推奨)
修復インストールによって、KB5065789のエラーだけでなく、他の隠れた不具合の修正にもつながる可能性があります。
時間はかかりますが、それだけの価値はある方法です。
今KB5065789をインストールすべき?導入判断と注意点
新機能に興味はあっても、不具合のリスクを考えると躊躇しますよね。
ここでは導入するべきか見送るべきか、判断のポイントを具体的に解説します。
適用を見送るべきユーザーの特徴と理由
KB5065789はあくまでプレビュー(テスト)更新であり、安定性は保証されていません。
そのため、すべてのユーザーが導入すべきとは限らないのが現実です。
特に、以下のようなケースでは適用を控えることを強くおすすめします。
理由は明確で、業務停止やPCの復旧困難など、リスクに対して得られるメリットが小さいからです。
適用を見送るべきユーザー:
- 業務・企業PC利用者
→ 業務アプリの動作不良や通話機能の停止リスクあり - ゲーミングPCユーザー
→ GPU処理に関する不具合やFPSの低下が確認済み - ノートPCメインの一般ユーザー
→ 回復手段が限られ、トラブル時の対応が困難になりやすい
特に「システムの復元で起動不能になる不具合」がある以上、復旧に自信がないユーザーは見送るのが賢明です。
導入前にすべきバックアップ・復元ポイント作成方法
どうしてもKB5065789を試してみたい場合でも、トラブル発生時に元に戻せる備えをしておくことが不可欠です。
もっとも基本的かつ効果的なのが、「復元ポイント」と「ファイルバックアップ」の事前作成です。
これにより、万が一システムが不安定になっても、以前の状態へ戻すことができます。
手順一覧:
対応項目 | 方法概要 |
---|---|
復元ポイント | 「システムのプロパティ」→「保護」→「作成」から作成 |
ファイルのバックアップ | 外付けHDDまたはクラウド(OneDriveなど)に保存 |
システムイメージの作成 | コントロールパネルの「バックアップと復元」から作成 |
ポイント:
- バックアップ先は外部メディアを推奨
- 復元ポイント作成後は更新日時と名前を控えると安心
これらの準備を怠らなければ、最悪の場合でもデータを失うリスクを最小限に抑えることができます。
アップデートの安全実施チェックリスト
アップデートを行う際には、いくつかの事前確認項目をチェックすることで、失敗の可能性を大きく減らすことができます。
KB5065789のような不安定な更新プログラムを扱う場合は、特に慎重に。
アップデート前のチェックリスト:
- [ ] 復元ポイントは作成済みか?
- [ ] 重要なデータのバックアップは完了しているか?
- [ ] セキュリティソフトは一時的に無効にできる状態か?
- [ ] ネットワークは安定した有線LAN接続か?
- [ ] Cドライブの空き容量は20GB以上あるか?
- [ ] バッテリー駆動ではなく、電源接続がされているか?
これらをすべて満たしたうえで、アップデートを進めれば、致命的なトラブルに発展する可能性はぐっと下がります。
Windows Updateのトラブルを防ぐ設定方法とコツ

Windows Updateは便利な反面、予期せぬ不具合を招くこともあります。
ここでは、トラブルを未然に防ぐための設定方法を紹介します。
更新の一時停止設定を使いこなす方法
Windowsには、更新を一時的に停止できる便利な機能があります。
KB5065789のような不安定な更新を避けたいときには、この機能が非常に有効です。
設定画面から簡単に操作できるので、新しい更新の安定性を見極める時間を確保したいユーザーにとっては必須とも言えるでしょう。
操作手順:
- 設定 → Windows Update
- 「詳細オプション」を選択
- 「更新の一時停止」で最大35日間停止可能
アドバイス:
月末や連休前は、不具合発生時に対応が難しいため、更新を延期しておくと安心です。
グループポリシーでプレビュー更新を無効化する手順
より高度な管理を求める場合は、グループポリシーエディターを使って、プレビュー更新そのものをブロックすることも可能です。
これは主に企業ユーザーやIT担当者向けの手法ですが、個人ユーザーでもプロ版のWindows 11を使っていれば設定できます。
設定方法:
- 「gpedit.msc」を実行(スタートから検索)
- 以下のパスを開く:
コンピューターの構成 → 管理用テンプレート → Windows Update → Windows Update for Business - 「プレビュー ビルドの受信を停止する」を有効化
この設定を使えば、安定版のみを自動受信する環境が整います。
不要なテスト更新によるトラブルも未然に防げるでしょう。
自動再起動をオフにすることで得られる安心感
Windowsは更新後、自動的に再起動を行うことがありますが、これが作業中のデータ喪失や、意図しないタイミングでの更新開始につながることも少なくありません。
そんな時は、「アクティブ時間」の設定や、再起動の通知制御を活用しましょう。
設定例:
- アクティブ時間を設定:
→ 設定 → Windows Update → アクティブ時間を調整 - 通知のカスタマイズ:
→ 通知の詳細設定から「再起動前に確認を表示」を有効にする
こうした配慮が、PC環境の安定性とストレスの少ない作業空間の維持につながります。
まとめ
KB5065789は、新機能を先行体験できる魅力がある一方で、不具合報告が多数ある不安定なプレビュー更新であることを忘れてはいけません。
特に業務利用や高負荷ゲーム環境では、適用によって重大な支障が出る可能性が高いことがわかりました。
今回の記事では以下の点を詳しく解説しました:
- KB5065789の概要と特徴、含まれる新機能
- FPS低下やネット不具合、復元で起動不能といった深刻な不具合
- エラー別の原因と対策、修復インストール手順
- 導入前の判断基準と安全対策チェックリスト
- Windows Updateを安定運用するための具体的設定方法
最終的な判断としては、安定性重視の方は見送り、テスト環境での試用は可という結論です。
更新を急がず、しっかりとした準備と知識を持って対処することが、安全で快適なPCライフへの第一歩です。