楽天証券iSPEEDアプリを開こうと思ったら、「パスキーが作成されているためログインできません」という表示が出て、多くの方が戸惑っています。
ですが、このエラーは新しく導入されたFIDO2準拠のパスキー認証が原因であるケースがほとんど。
これはセキュリティ向上のために採用された仕組みで、適切に対処すればすぐに解決できます。
本記事では、パスキーの基本からログインエラーの原因、そして誰でも実行できる具体的な対処法まで、わかりやすく解説します。
焦らず、正しい手順を踏めば再びスムーズに取引を再開できます。
パスキー認証とは?楽天証券が導入した理由

楽天証券が導入したパスキー認証とは、今までのIDやパスワードとは全く異なる、新しいログイン方式です。
まずはその仕組みや背景を見ていきましょう。
パスキー(FIDO2)と従来のパスワードの違い
パスキーは、FIDO2という国際標準に準拠した本人確認の仕組みです。
従来のIDとパスワードでは毎回入力が必要で、情報流出のリスクも伴いました。
一方、パスキーはデバイスに保存された秘密鍵と公開鍵を使い、より安全かつスムーズに認証が完了します。
楽天証券が採用した理由も、こうした利便性と安全性の高さにあります。
セキュリティ強化が求められる今、まさに時代に合った認証方法といえるでしょう。
| 比較項目 | パスワード認証 | パスキー認証(FIDO2) |
|---|---|---|
| 入力の手間 | 毎回IDとPWを手入力 | 生体認証やPINで即ログイン |
| 情報漏えいのリスク | 高い | 端末依存で低リスク |
| 利便性 | パスワード管理が面倒 | 覚える必要なし |
生体認証・公開鍵の仕組みを簡単解説
パスキーは「公開鍵暗号方式」に基づいた仕組みで、ログインのたびに個人情報を送信しない点が大きな特徴です。
ユーザーのスマートフォンやPCに秘密鍵が保存され、それに対応する公開鍵がサーバー側にあります。
ログイン時には生体認証(指紋や顔認証など)やPINコードによって、秘密鍵が利用されますが、外部には漏れません。
そのため、たとえ通信が傍受されても情報が盗まれることはありません。
AppleやGoogleも採用しているこの方式は、世界的にも高く評価されています。
楽天証券がパスキー導入に踏み切った背景
楽天証券は2025年10月から、すべての取引チャネルでパスキー認証を導入しました。
その背景には、フィッシング詐欺や情報漏洩の増加に伴うセキュリティ強化の必要性があります。
また、スマホ中心の投資スタイルが浸透する中で、より簡単で安全なログイン環境を求める声も高まりました。
楽天証券はこの要望に応える形で、業界に先駆けて導入を決断。
ユーザーが安全に投資できる環境整備の一環として重要な施策です。
楽天証券iSPEEDでログインできない原因とは?
ログインできない場合、多くは設定やアプリの状態に原因があります。
ここではよくあるトラブルとその背景を整理していきます。
「パスキーが作成されているためログインできません」の意味
このエラーメッセージは、一見するとエラーのようですが、実はシステムが正しく動作していることを示している場合もあります。
パスキーを一度登録すると、IDとパスワードによるログインは無効になります。
そのため、旧方式でログインしようとすると、この表示が出てしまいます。
これは楽天証券側の不具合ではなく、ユーザー側の設定やアプリの状態に原因があるケースが多いです。
アプリのバージョン未対応による不具合
iSPEEDアプリが古いままだと、パスキー認証に対応できずログインできません。
特に、パスキー登録後にログイン不可になった場合はこのパターンが多いです。
最新版ではFIDO2認証が有効化されているため、必ずアップデートを確認しましょう。
App StoreまたはGoogle Playから「楽天証券 iSPEED」で検索し、更新ボタンが表示されていれば、すぐに実行することが推奨されます。
端末の変更・OSアップデートによる影響
端末を変更したり、OSを更新した場合、パスキー情報が引き継がれないことがあります。
これはパスキーが端末固有の情報に基づいて動作するためで、iPhoneからAndroidに機種変更した際などによく見られます。
このような場合は、Webサイト上からパスキーを再作成することで解決できます。
引き継ぎ時のデータ確認や、旧端末での事前バックアップも重要です。
パスキーとID・パスワードの切替トラブル
パスキーを設定した後は、ID・パスワードでのログインは基本的に使えなくなります。
しかし、アプリが古かったり設定が中途半端だったりすると、どちらの方式も使えない状態に陥ります。
この切替トラブルは、新旧認証方式の混在が原因です。
解決には、アプリの再インストールや、Webからの再設定が有効です。
【必見】楽天証券iSPEEDでログインエラーを解決する方法

ログインエラーは焦らず一つずつ対処すれば、ほとんどの場合すぐに解決できます。
ここではその具体的な手順を解説します。
① iSPEEDアプリを最新版にアップデートする方法
ログインできない原因の多くは、アプリのバージョンが古いためです。
まずはApp StoreまたはGoogle Playで「楽天証券 iSPEED」と検索し、更新が必要かを確認しましょう。
最新版ではパスキー認証に完全対応しており、多くのエラーが解消されています。
アップデート後は、アプリを再起動し、再度ログインを試してみてください。
② ID・パスワードでログインしパスキーに切り替える裏技
一部の端末では、IDとパスワードをあえて入力することで、パスキー認証が促される場合があります。
これは楽天証券のシステム側で、自動的に新しい認証方式に切り替える仕組みがあるためです。
旧来の方法が一時的なトリガーとして機能するという、やや裏技的な方法ですが、実際に有効です。
試す際は、事前にアプリが最新版であることを確認しましょう。
③ パスキーを再作成・削除して再ログインする手順
ログインできない状態が続く場合、パスキー情報が破損しているかもしれません。
その場合は、パスキーを一度削除し、再作成する必要があります。
楽天証券では、自動音声ダイヤルを利用することで、30分間だけID・パスワードでのログインを一時的に許可しています。
その間にWeb上の「セキュリティ設定」からパスキーを削除・再設定しましょう。
解決しない時の対処法とサポート活用術
すべての方法を試してもログインできない場合は、楽天証券のサポート体制を活用するのが確実です。
焦らず、正しい手順で対応しましょう。
自動音声ダイヤルによる一時的ログインのやり方
楽天証券では、パスキー認証に関するログイントラブルに対し「自動音声ダイヤル」の仕組みを用意しています。
これは、本人確認を電話で済ませることで、30分間だけID・パスワードによるログインを可能にする制度です。
この時間内にWeb版の楽天証券へアクセスし、パスキーの削除や再作成が行えます。
深夜・早朝でも対応しているため、緊急時には非常に便利です。
ポイント:
- 電話番号は公式サイトの「お問い合わせ」ページから確認
- 操作は音声ガイダンスに従うだけで完了
- パスキー削除や再設定はログイン後「セキュリティ設定」から実施可能
楽天証券サポートへの問い合わせ時の注意点
サポートへ連絡する際は、できるだけスムーズに状況を伝えることが重要です。
特にログインエラーは状況が複雑になりやすく、説明不足だと解決まで時間がかかってしまいます。
サポートは平日の混雑時間帯を避け、比較的つながりやすい午前中や夕方以降を狙うとよいでしょう。
また、エラー画面のスクリーンショットを準備しておくと、やりとりがスムーズに進みます。
問い合わせ前に準備すべき情報とは?
楽天証券に問い合わせる前に、以下の情報を整理しておくと対応が迅速になります。
特に端末やアプリのバージョン情報は、トラブルの特定に必要です。
準備すべき項目:
- 使用している端末(例:iPhone 15、Pixel 8など)
- OSのバージョン(例:iOS 17.1、Android 14など)
- iSPEEDアプリのバージョン(例:v9.5.1)
- エラー発生日時と表示された文言
- どの操作をしたか(例:機種変更直後にログインできなくなった等)
このように、できる限り具体的に伝えることで、サポート担当者が迅速かつ的確に対応できます。
パスキー導入で注意すべきセキュリティリスク

パスキー認証は安全性が高い一方で、新しい技術だからこその注意点もあります。
ここでは、特に気をつけたいセキュリティ面を確認しておきましょう。
フィッシング詐欺メールの見分け方
楽天証券の名を騙ったフィッシング詐欺メールは、パスキー導入後に急増しています。
特に「本人確認のためパスキー設定をお願いします」などと書かれたメールには注意が必要です。
楽天証券は、パスキー設定用のリンクをメールで送ることはありません。
文面に不自然な日本語や不明なURLが含まれている場合は、すぐに削除しましょう。
詐欺メールの特徴:
- 差出人のメールアドレスが不自然(例:@rakutn-sec.com など)
- 設定用URLへの誘導がある
- 日本語が不自然で改行や文法に違和感がある
安全にパスキーを使うための3つの鉄則
新しい認証方式であるパスキーを安全に使うためには、日々の小さな習慣が非常に大切です。
以下の3つのルールを意識するだけで、セキュリティリスクは大きく減らせます。
鉄則①:公式アプリからのみログインする
メールやSNSのリンク経由ではアクセスせず、必ずブックマークまたは公式アプリからアクセスする習慣をつけましょう。
鉄則②:アプリやOSは常に最新状態を保つ
最新のセキュリティ対策が反映されるため、定期的なアップデートは欠かせません。
鉄則③:不審な動作があればすぐパスキーを再設定する
ログイン挙動がいつもと違う、指紋認証が急に反応しなくなったなどの変化があれば、早めの再設定が安全です。
まとめ
楽天証券のiSPEEDアプリでログインできない原因は、多くの場合パスキー認証の仕組みに関係しています。
これは不具合ではなく、むしろセキュリティが強化されたことによる“仕様”です。
焦らずにアプリのアップデートや再設定を順番に試すことで、ほとんどのトラブルは解決できます。
また、パスキーの導入に伴い、フィッシング詐欺などの新たなリスクも増えています。
安全に使いこなすためには、公式ルートからアクセスし、アプリやOSを常に最新に保つことが重要です。
新しい仕組みを理解し、正しく対応することで、これまで以上に安全な投資環境が整います。
パスキー認証を味方につけて、安心して楽天証券を活用していきましょう。

