Windows 11で「ペイント」が起動しない原因のほとんどは、アプリの一時的な不具合やWindowsの設定ミスによるものです。
再起動やWindows Updateだけで直るケースも多く、焦らずに一つずつ対処することで解決できます。この記事では、ペイントが開かない、すぐ落ちる、見つからない、消えたといったトラブルに対して、原因の特定から修復・再インストールまでの手順をわかりやすく解説。
初心者でも安心して試せる方法を順を追ってご紹介しますので、トラブル解決の第一歩としてぜひ参考にしてください。
Windows 11でペイントが開かない主な原因とは?

突然ペイントが使えなくなると焦りますが、原因を知れば対処も簡単です。まずは、どんな不具合が起きやすいのかを整理してみましょう。
よくある4つの症状
ペイントのトラブルにはいくつかの代表的な症状があります。状況を正しく見極めることで、無駄な作業を避け、適切な対処法に進むことができます。
- 開かない:クリックしてもアプリが起動しない状態。応答なしのケースもあります。
- すぐ落ちる:起動後に一瞬だけ表示されて自動終了してしまうケース。
- 見つからない:スタートメニューや検索欄に表示されず、存在していないように見える状態。
- 消えた:アプリが完全に削除されている、またはインストールされていないと判定される状況。
このような症状は、アプリ本体の破損やWindowsの更新不備が原因であることが多く、原因ごとに対処法が異なります。まずは、どの症状に該当するかを整理しましょう。
アプリ側の不具合?システム側の不具合?
ペイントが開かない場合、原因は大きく分けて「アプリ側の問題」と「Windowsのシステム側の問題」に分類されます。
アプリ側の不具合では、アプリ設定ファイルの破損やキャッシュの蓄積が主な要因です。特に長期間アップデートをしていない環境では不具合が起こりやすくなります。
一方、システム側の不具合は、Windows Updateの不備やシステムファイルの破損、レジストリのエラーなどが関係してきます。SFC(システムファイルチェッカー)やDISMといった修復ツールで解決できるケースもあります。
どちらの原因か見極めることが、的確な修復への近道です。
最初に試すべき基本対処法【再起動とWindows Update】
慌てて高度な設定をいじる前に、まずは基本的な対処法を試してみましょう。意外にも、それだけで解決するケースは多いものです。
PCを再起動する理由と効果
「とりあえず再起動」は、ITサポートでも最初に勧められる王道の対処法です。これは単なる気休めではなく、システムリソースの開放や一時的な競合の解消に効果的です。
再起動により、
- メモリのクリア
- バックグラウンドプロセスのリセット
- アプリキャッシュのリフレッシュ
といった処理が行われ、ペイントの起動エラーが自然に解消されることがあります。
特にスリープや長時間の起動状態が続いている場合は、再起動を行うだけでペイントが正常に起動するケースが多いです。
Windows Updateで最新状態に保つ手順
Windowsの更新プログラムには、ペイントを含む標準アプリの修正も含まれていることがあります。そのため、Windows Updateは重要なトラブル回避手段です。
以下の手順で実行できます:
| 手順 | 操作内容 |
|---|---|
| 1 | スタートメニュー → 設定を開く |
| 2 | 左メニューの「Windows Update」を選択 |
| 3 | 「更新プログラムのチェック」をクリック |
| 4 | 利用可能な更新があればすべてインストール |
| 5 | 更新後はPCを再起動する |
更新を放置していると、セキュリティ上のリスクだけでなく、アプリの不具合も引き起こしやすくなります。ペイントがうまく動かないときは、まずOSを最新の状態にしましょう。
ペイントが起動しないときの定番対処|修復とリセット

基本の操作で直らないときは、アプリの状態を直接修復する方法を試していきます。Windowsには便利な修復機能が標準で備わっています。
「設定」から修復・リセットを行う手順
Windows 11では、アプリごとに修復やリセットを行える機能が搭載されています。ペイントの動作不良も、これらの機能で改善することがよくあります。
手順は以下の通りです:
- スタートボタンを右クリック → 「設定」を選択
- 「アプリ」→「インストールされているアプリ」へ移動
- 「ペイント」を探して「…」から「詳細オプション」を選択
- 「修復」または「リセット」のボタンを選んで実行
操作はシンプルで、数クリックで完了します。リセット操作でも保存画像は削除されませんので安心して進められます。
「修復」と「リセット」の違いと使い分け方
修復とリセットは似ているようで目的が異なります。使い分けを間違えると、期待する効果が得られないこともあるため注意が必要です。
- 修復:設定はそのままで壊れた部分だけを直す
- リセット:アプリの設定も含めて初期状態に戻す
| 区分 | 修復 | リセット |
|---|---|---|
| 設定の維持 | 保持される | 初期化される |
| 操作の影響 | 軽微 | 中程度 |
| 推奨タイミング | 最初に試す | 修復が効果なしの場合 |
まずは「修復」を試してから、直らない場合に「リセット」を選択するのが基本的な流れです。
「ペイントが消えた」時の対処法|再インストール方法
アプリが見当たらない、検索しても出てこないといった場合は、再インストールによって解決することが多いです。
アンインストールから再インストールまでの手順
古いペイントの設定ファイルが不具合を引き起こしている可能性もあるため、まずは完全にアンインストールしてからの再インストールが推奨されます。
手順:
- 「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」
- 「ペイント」を見つけて「…」から「アンインストール」
- 表示される確認画面で削除を実行
この操作により、破損したデータやキャッシュファイルも一緒に削除されます。その後、クリーンな状態でのインストールが可能になります。
Microsoft Storeからのインストール方法
アンインストール後は、Microsoft Storeを使ってペイントを再インストールしましょう。Windows標準アプリであるため、Storeから簡単に入手できます。
操作手順:
- Microsoft Storeを開く(スタートメニューから「Store」で検索)
- 上部の検索バーに「Microsoft ペイント」と入力
- 該当アプリを選び、「入手」または「インストール」をクリック
再インストール後は、スタートメニューにペイントが表示されるようになります。これで多くの場合、正常に動作するようになります。
システムファイルに問題がある場合の対処法

再インストールでも解決しない場合は、Windows自体のシステムファイルが破損している可能性があります。次はその内部の修復に進みましょう。
SFC(システムファイルチェッカー)の実行方法
SFC(System File Checker)は、Windowsに組み込まれたコマンドラインツールで、破損したシステムファイルを自動で修復してくれます。
使い方は次のとおりです。
- スタートボタンを右クリックし、「Windows Terminal(管理者)」を選択
- 管理者権限で実行することを確認
- コマンドプロンプト画面で以下を入力してEnter:
sfc /scannow
- 検査と修復が完了するまで待つ(10~20分ほど)
- 終了後、PCを再起動
このツールは、アプリだけでなくOS全体の整合性も確認するため、ペイントのような標準アプリの不具合にも効果があります。特にWindows Update後の不具合が起きた場合には有効です。
DISMコマンドでWindowsイメージを修復する手順
DISM(Deployment Image Servicing and Management)は、SFCで修復できないレベルの破損をカバーする、より強力な修復ツールです。
こちらのコマンドは以下の手順で実行できます。
- SFCと同様に「Windows Terminal(管理者)」を起動
- 以下のコマンドを入力して実行:
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
- 修復処理が完了するまで待つ(最大30分ほど)
- 処理完了後、再起動を実施し、必要に応じてSFCを再実行
DISMはWindowsのシステムイメージそのものをチェックし、不整合や破損部分を自動で修復します。複数の不具合が重なっているケースでも、改善が見込める高度な手段です。
最終手段|ユーザーアカウントの確認と切り替え
ここまで試しても改善されない場合、現在のユーザープロファイル自体に問題がある可能性があります。新しいアカウントで検証してみましょう。
新しいローカルアカウントを作成して試す手順
ユーザープロファイルに不具合があると、アプリだけでなく各種設定にも影響します。その切り分けには、新しいローカルアカウントの作成が効果的です。
以下の手順でアカウントを作成できます:
- 「設定」→「アカウント」→「家族とその他のユーザー」へ進む
- 「その他のユーザーを追加」を選択
- 「このPCにユーザーを追加する」→「サインイン情報を持たないユーザー」をクリック
- 任意のユーザー名・パスワードを設定して完了
- 新しいアカウントでサインインし、ペイントの動作を確認
この方法で正常に動作すれば、既存アカウントの設定に問題がある可能性が高く、そちらの修復や引っ越しを検討することになります。
ユーザープロファイル破損の確認方法
ユーザープロファイルの破損は、アプリが開かない、設定が反映されない、エラーが頻発するといった形で現れます。
主なチェックポイントは以下の通りです:
- 同じPCの他アカウントではペイントが正常に起動する
- エラーメッセージや強制終了が頻発する
- 新規アカウントではエラーが発生しない
プロファイルが破損している場合は、以下の対処が有効です。
- 新しいアカウントへのデータ移行
- 古いアカウントの削除
- システムの復元ポイントを使った巻き戻し
Windowsではプロファイル破損が意外と頻繁に起きるため、再構築も選択肢の一つとして視野に入れておきましょう。
ペイントがどうしても使えない場合の代替アプリ3選

それでもペイントがどうしても動かない場合や、もっと高機能な編集をしたいときは、他のアプリに切り替えるのも一つの手です。
Paint 3Dの特徴と使い方
Paint 3Dは、Windows 11に標準搭載されていることも多いアプリで、ペイントの進化版として位置づけられています。
特徴は以下の通りです:
- 3Dオブジェクトの作成や立体感のある編集が可能
- テキスト・図形・画像挿入の自由度が高い
- Windows Inkとの連携で手書き編集にも対応
起動方法は「スタートメニュー」→「Paint 3D」で検索すればすぐに見つかります。シンプルながら、立体表現やステッカー追加など、遊び心のある編集ができます。
Paint.NETのダウンロードと操作感
Paint.NETは、軽量で高機能な無料の画像編集ソフトで、多くのユーザーからペイントの実質的な後継と評価されています。
主な特徴は以下の通りです:
- レイヤー機能やエフェクトが標準搭載
- インターフェースがシンプルで初心者にもやさしい
- プラグインによる機能拡張も豊富
公式サイトまたはMicrosoft Storeからインストール可能で、「Paint.NET ダウンロード」と検索すれば見つかります。ペイントの操作に慣れていれば、すぐに使いこなせるはずです。
GIMPで高度な画像編集をする方法
GIMP(GNU Image Manipulation Program)は、Photoshopに匹敵するほど高機能なオープンソースの画像編集ソフトです。
特徴:
- 無料でプロ並みの編集が可能
- 多彩なフィルター・エフェクトを搭載
- カラーマネジメント・パスツール・トーンカーブ調整など本格仕様
GIMPは公式サイトから無料でダウンロードできますが、操作はやや専門的です。高度な加工を求めるユーザーや、業務利用を想定している方には最適な選択肢です。
まとめ|Windows11のペイント不具合は段階的な対処で解決可能
ペイントが起動しない問題は、多くの場合システムやアプリの一時的な不具合が原因です。順を追って正しい手順を実行すれば、ほとんどのケースで自力解決が可能です。
ここまでの対処法を再確認しましょう。
| ステップ | 対処内容 |
|---|---|
| ① | 再起動・Windows Updateの実行 |
| ② | アプリの修復・リセット |
| ③ | 再インストールの実施 |
| ④ | SFC・DISMによるシステム修復 |
| ⑤ | 新しいアカウントでの検証 |
| ⑥ | 代替アプリの使用検討 |
特に「修復」「再インストール」「システムファイルチェック」は効果が高く、まず試すべき基本対処です。
どうしても改善しない場合でも、Paint.NETやGIMPなど信頼性の高い代替アプリがあります。焦らず順を追って対応すれば、きっと解決につながります。
