2025年に公開されたChromeの「バージョン136」では、セキュリティやプライバシー保護の強化に加え、ユーザーインターフェースにも複数の変更が加えられました。
特に注目されたのが、タブバーに突然追加された「タブを検索」ボタンの存在です。
本記事では、Chrome 136における代表的なアップデートと、話題となっている新機能の実態について詳しく解説していきます。
Chrome 136の注目アップデート内容とは?

今回のアップデートでは、セキュリティ強化やUIの改善などが多岐にわたり導入されました。
以下で主な変更点を解説します。
セキュリティ機能の強化と改善点
Chrome 136では、ユーザーのプライバシーを守るための機能が大きく進化しました。
具体的には、visitedリンクの扱いに関する仕様が変更され、過去の閲覧履歴が悪用されるリスクが低減されています。
さらに、Accept-Languageヘッダーも見直され、ユーザーの言語設定が不必要に多く送信されることを防止しています。
これにより、フィンガープリンティングによる個人特定リスクも軽減され、安全性が向上しました。
ユーザーインターフェースの変更
Chrome 136では、操作性と視認性の向上を目指して、ユーザーインターフェースに複数の改善が施されました。
特に注目すべきは、Windows 11との親和性を意識したFluentデザインの採用です。
これにより、スクロールバーやタブ周りのデザインが洗練され、見た目と使い心地が一体化されました。
タブ管理も直感的に行えるようになり、作業効率が向上しています。
開発者視点でも利便性が高まっています。
新機能「タブを検索」ボタンの登場
「タブを検索」ボタンは、Chrome 136で新たに導入されたタブ管理支援機能です。
多数のタブを開いている場合でも、目的のタブを迅速に検索・表示できるよう設計されています。
しかし、この機能がタブバーの右端に常時表示されることで、誤操作を招くという声も多く上がっています。
特に、新しいタブを開く操作と位置が近いため、混乱を招いているユーザーも少なくありません。
利便性と使いやすさの両立が課題となっています。
「タブを検索」ボタンが不要な理由とは?
多くのユーザーにとって新機能は歓迎されるものですが、「タブを検索」ボタンには疑問の声も多く挙がっています。
ユーザーが感じる違和感と不満
Chrome 136で導入された「タブを検索」ボタンは、一見便利そうに思える一方で、多くのユーザーがその存在に違和感を抱いています。
実際には、ボタンの見た目が目立たないために誤ってクリックしてしまうケースが頻発しています。
また、必要性を感じないという意見も少なくありません。
特に、日常的に少数のタブしか使用しないユーザーにとっては、機能の恩恵を実感しにくいのが実情です。
ボタン位置による操作性の低下
このボタンは、タブバーの最も右端に常時表示される仕様となっており、従来の操作習慣に混乱をもたらしています。
特に、新しいタブを開くボタンのすぐ隣にあるため、視覚的な区別がつきにくく、クリックミスの原因となります。
こうした配置上の問題により、ユーザビリティが損なわれているとの指摘もあります。
操作性とユーザー体験のバランスが求められるポイントです。
「タブを検索」ボタンを非表示にする方法

この機能が不要と感じる場合、Chromeの内部設定を調整することで非表示にすることが可能です。
Chrome Flagsを使った設定手順
Chromeには、正式に公開されていない試験的機能を制御する「Flags設定」が用意されています。
この設定を利用することで、「タブを検索」ボタンの表示を管理できます。
具体的には、アドレスバーに「chrome://flags」と入力し、検索窓に「Tabstrip Combo Button」と入力します。
その後、表示される項目を「Disabled」に設定することでボタンが無効化されます。
「Tab Search Position Setting」も無効にする
「Tabstrip Combo Button」の設定だけでは非表示にならない場合があります。
その際は、関連する別の設定「Tab Search Position Setting」も併せて無効化する必要があります。
この項目もFlagsメニュー内にあり、「Disabled」に変更することで補完的な非表示処理が行われます。
設定が反映されることで、タブバーが従来のシンプルなレイアウトに戻ります。
設定完了後にChromeを再起動
すべての設定が完了したら、画面右下に表示される「Relaunch」ボタンをクリックしてChromeを再起動します。
再起動により、変更内容が反映され、「タブを検索」ボタンは非表示になります。
この操作は簡単に実行でき、ブラウザの再設定やデータ削除などの必要もありません。
元の操作感を取り戻したいユーザーにとって、有効な手段となります。
カスタマイズの注意点とポイント
便利なFlags設定ですが、注意点もあります。
操作前には必ずリスクを確認しましょう。
Flagsの変更は自己責任で
Chrome Flagsは公式サポート外の機能が多く含まれており、使用には一定のリスクが伴います。
設定ミスや将来のバージョンアップによって予期しない動作が起こることもあります。
そのため、機能の内容をしっかりと理解した上で操作を行うことが重要です。
安易な設定変更は推奨されず、慎重な対応が求められます。
他にも非表示できる機能はある?
ChromeのFlags機能では、「タブを検索」ボタン以外にも多くのUI要素をカスタマイズできます。
たとえば、Omnibox機能の動作やスクロール挙動なども調整可能です。
自分の利用スタイルに合わせて不要な要素を整理することで、より効率的で快適なブラウジング環境が実現できます。
設定は段階的に行い、変更前後の挙動を比較するのが理想的です。
まとめ
Chrome 136は、セキュリティ面やユーザーインターフェースに大きな改善を加えたバージョンです。
一方で、「タブを検索」ボタンのように一部ユーザーには不要とされる新機能も追加されています。
Chrome Flagsを活用すれば、そうした機能を自分で調整し、従来の使いやすさを取り戻すことが可能です。
適切な設定を行うことで、作業効率とストレスのない操作環境を両立できるでしょう。
自分に最適なブラウザ体験を構築するために、Flagsの正しい使い方を理解することが大切です。